2011年07月22日

山あげ祭 2011★

山あげ祭 2011
【2011年山あげ祭】  烏山駅徒歩10分

今年も沿線最大の夏祭り「山あげ祭」が始まりました。
この夏祭りは、伝統と歴史を誇る日本一の野外劇です。

山あげ祭の起源は、約450年前に烏山に疫病が流行し、
時の城主が災厄を避けるための祭礼を行ったことが始まりと云います。

撮影'11/07/22 21:00〜
山あげ祭 2011
nikon D200 Tokina AT-X 116 PRO DX F2.8

まだ余震の影響や計画停電が心配なころ
今年の当番にあたる仲町の世話人代表らが、

「震災が起きた年だからこそ祭りの起源に立ちかえり開催しよう」
と実施の決断をしたそうです。

【男衆による山あげ】
山あげ祭 2011

那須烏山地区は東日本大震災の被災地でもあり
山の崩落や家の倒壊など死傷者を出す被害を受けました。

災害の復興を祈願して大祭をやれば、
もしかして余震を鎮め原発事故を収束できるかも知れません。

【山あげ観劇の様子】
山あげ祭 2011

さて、いよいよお祭りの本番です。
オープニングは大ガマに乗った滝夜叉姫の登場から、
おなじみの怪奇ストーリー「将門」の始まり。

【歌舞伎「将門」】
山あげ祭 2011

<あらすじ> 〜将門〜
平将門の残党討伐に出征した源頼信の家臣・大宅太郎光圀は、ある日、古御所の中で滝夜叉姫と出逢う。
将門の娘である滝夜叉は、色仕掛けで光圀を味方につけようとする。
しかし、光圀がわざと話した壮絶な将門最期の話に滝夜叉が悔しがったため正体がバレてしまう。
★常盤津「忍夜恋曲者」(しのびよるこいはくせもの)より

【将門・大宅太郎光圀】
山あげ祭 2011

役者の養成は、山あげ保存会・踊り部会が担当し
毎年、地元の女子・小中高校生が日頃の練習成果を披露するもの。

正義の味方、光圀を演じるのも女子、
ヒーロー役の凛々しい顔だちは実にカッコイイ。

【将門・大宅太郎光圀】
山あげ祭 2011

そして妖艶可憐な五月姫↓は、父将門の怨念を募らせて
のちに滝夜叉と名乗ってガマ(貴船明神の荒神)から妖術を授かる。

姫の衣装は、登場・誘惑・妖術の3場面を変化(へんげ)し
こちら↓は「蝶結びの前帯」と「ピンクの衣装」が妙に色っぽいですね。

【将門・滝夜叉姫】
山あげ祭 2011

こちら↓は、まるで忍者のような衣装をまとい、
指で印を組み髪を振り乱して妖術を使うシーンです。

【将門・滝夜叉姫】

↑マウスインするともう一枚

滝夜叉姫は、光圀との激闘の末に成敗されるが、
死の間際、改心して父将門のもとへ昇天するという。

この瀧夜叉姫の伝説は、世に語り継がれ
長い間に装飾されて怪奇物語へと変貌していったそうです。

山あげ祭 2011
山あげ祭 2011

さて、子供歌舞伎↓にも注目しました。
演題は「梅川」、演じるのは女の子の役者たち。
このキュートな化粧顔が最高です。

<あらすじ> 〜梅川〜
大阪の飛脚・忠兵衛は、なじみの遊女・梅川を身請けするため預かった為替の封印を切る大罪を犯す。
男の一分にかけた純情な忠兵衛と利発で心やさしい純愛を捧げる梅川との難波の恋の物語である。
やがて新口村へ駆け落ちし心中の道へ落ちるという。
★歌舞伎「恋飛脚大和往来」(こいびきゃくやまとおうらい)より

【子供歌舞伎「梅川」】
山あげ祭 2011

所作の舞いは堂々として上手なこと、
愛嬌たっぷりのセリフ回しは観客を釘付けです。

よっ日本一、あっぱれ〜と
拾いきれない程の“おひねり?”が飛び交う場面も。

山あげ祭 2011

<見どころ>
山あげ祭は、国の重要無形民族文化財に指定されており、その見どころは、
輪番制による若衆らによる一糸乱れぬ山の組み上げ、今年は仲町が当番になっています。
そして保存会による妖艶な歌舞伎の舞い、さらに祭りの雰囲気を盛り上げる三味線の常磐津です。
山あげは、町内のあちこちに移動して行われ3日間で延べ16回もの舞台上演が繰り広げられます。
烏山の伝統的な夏祭りは、観衆の心を魅了することでしょう。

山あげ祭 2011

(毎日新聞の6/15記事より)
東日本大震災で被害の大きかった那須烏山市では、
祭りの担い手である若衆不足に加え、被災して壊れた屋台もあり一時は中断の話も出たが、
山あげの時間を変更したりボランティアへの協力を呼び掛けたりしながら、
遅れたスケジュールを取り戻して、これから急ピッチで準備を進めるという。

山あげ祭 2011

<山あげ祭>
期間:7月22日(金)〜24日(日)
場所:那須烏山市、烏山駅下車・徒歩10分

奉納余興のスケジュール:下をクリック!
山あげ祭 2011


【過去の山あげ祭の様子】
山あげ祭は那須烏山市の中心地6町の輪番制となっています。
当番町の山あげ祭の様子を6年間記録し続けましたので合わせてご覧ください。
山あげ祭 2007 鍛冶町 目
山あげ祭 2008 日野町 目
山あげ祭 2009 元田町 目
山あげ祭 2010 金井町 目
山あげ祭 2011 仲町 目
山あげ祭 2012 泉町 目


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posted by 旅からす at 23:26| Comment(2) | 山あげ祭 2011 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
今年も無事山あげ祭が催行されて良かったですね。
東北復興を祈り山あげ祭が行われたのは嬉しい事です。
以前に山あげ祭の理由を見た事が有りますが、この様な時期には絶対やって欲しい行事です。
子供さんも年々演技が上手に成って居ますね。
昨年、足に火傷をされた女性も頑張って居ますね。
この態度には頭が下がります。
今日も大変な大雨の様ですが、管理人さんの処は大丈夫ですか?
Posted by ななごう at 2011年07月29日 22:12
■ななごうさん
コメント遅くなりました。
みちのくの東北各地では大きな夏祭りの真っ最中ですね。
どこも鎮魂と復興のため前向きな姿勢なのでしょう。
昨日は、関東北部はピンポイント豪雨が降って
セーラー服姿の娘がビショ濡れで帰ってきました。
かなり不安定な天候が続いています。
Posted by mt_crow at 2011年08月05日 22:32
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